ガーデニアのかおり

2020/07/01

 

梅雨の晴れ間に外へ出てみるとこの季節特有のエキゾチックな甘い香りに心奪われてしまうのはよくあることです。螺旋を描くように肉厚な花弁を開く魅惑的な白い花の名前はガーデニア、梔子(クチナシ)の英名で、欧米では男性からダンスパーティーに誘う女性へ告白とともに手渡す花としても親しまれているようです。

このクチナシの果実の有効性はご想像通り、古く中医学が確立した時代から重要な生薬として用いられ、止血、消炎、鎮静、利尿作用、また不眠などにも効果があるとされ、山梔子(さんしんし)という製薬で処方もされます。
日本ではお正月の栗きんとんをあのおいしそうな黄色に着色する食用染料になることで知られていますが、江戸時代には疲労回復や防腐作用が認められ旅に必携の保存食や布を染める染料としても庶民に親しまれたそうです。

一方、濃厚でエレガントな花の香り成分には、リラックス効果のベンジルアセテート、抗不安効果のリナロールの他リナリルアセテート、ターピネオールなどが含まれ、特にリラックス効果の高い甘い香りのもとベンジルアセテートは、イランイランやジャスミンの香気にも多く含まれている甘く香る花特有の成分です。

純度の高いガーデニアのアロマには、ほかに抗菌作用や利尿作用も報告されているため、むくみを解消するマッサージオイルにこの精油を加えたり、バスタブに垂らしたりとちょっと贅沢な使い方もあるんですね。

芳しく香る花から、高級な香水にも好んで使われる天然の香料(精油)を抽出するのはとても難しく、純度100%の精油は小さじ1杯で1万円を超える貴重で高価な香りですから、ガーデニアベースと呼ばれる調合香料が開発され広く利用されています。

せっかくのガーデニア香る季節ですから、高価なオイルよりも生の花を一輪、枕元に生けて眠るのが何よりいちばんのロマンティックな安眠を引き寄せられそうです。