季節はずれのポマンダー

2020/05/16

 

魔女魔女しく言えば、柑橘類の果実にクローブを差して作る『魔除け玉』です。

本当は、気温も湿度も下がって冬に向かう頃に作り春までにすっかり乾燥させて完成なのです。
今作っても果実の水分で腐ったりカビたりするので成功率は低いのですが、どうしてもこの香りが必要な時は夏場でもつくります。

クローブは人により好き嫌いが激しい香りのひとつかと思います。年代によっては“今治水(こんじすい)”のにおい…で通じるかも知れません。
香りの主成分オイゲノールの持つ即効性の強い鎮痛・抗菌効果はまさに“魔除け”に相応しく、スパイスのくくりの中では最も強く刺激的と言われる所以でもあります。
鎮痛、抗菌作用のほかにも鎮静、抗酸化、血行促進などの効果に加え、なんと、ゴキブリよけとしても知られるほどの筋金入りですが、私はこの強い香りのあとに残る、スッと真っ直ぐに立ち昇る高貴で甘やかな余韻がとても好きです。

ここに太陽の光のようなオレンジのアロマがプラスされれば、忍び寄る邪も魔も本当に、たちどころに滅却できるかも知れません。