2011年

4月

12日

時に贋作画家 -Chapter 1-

「花を描くのが上手な学生を探してるんだ。」

同じ学科の同級生を介して知り合った友人から 久しぶりの電話をもらったのは確か…大学院二年の春。

ひとつ年上の山岸君はもう社会に出ていました。

 

それからほどなく、会わせたい人がいるという彼と 六本木駅で待ち合わせる約束をしたのですが

今では考えられないことに、その日の私は 作品のファイルも名刺すらも持たない”手ぶら”状態。

これから 私の将来に何が起こるのか、その日の私には何も解っていませんでした。

 

繁華街を少し入ると、今でもそうなのか…マンションの一室を借りたデザイン事務所が点在していて

夜の賑わいとはまた別の顔を見せていました。

 

何故そこに呼ばれたのか、今では定かではありません。

通された応接室の奥で 穏やかな笑顔で私を迎えてくれたのは 某大手ジュエリーメーカーの役付きの男性。

ちょうど当時の父親ほどの年頃に見受けられたけれど がらっぱちな父とも 大学で日頃接する教授先生達とも違う匂いのする 企業人としての地位を確立した人種との初めての対面は 

多少の雑談の合間に 依頼内容の大まかな説明と、自分がその「ひとさがし」を頼まれた相手が プライベートでも信頼のおける友人であることを私に確認させるのみで 緊張などする間もなく終了。。。

 

こうして私はこの御仁の”お墨付き”を得て 麹町の旧日テレ通りに面した とあるアパレル会社へ

単身乗り込む事になるのですが・・・。〈次章へ続く

 

 

追記;当時の写真を探したのですが、何も残していませんでした。

こんな未来が待っているとわかっていたら

少しは考えたのかもしれない^^;

 

・・・・しまった。。。

 

何も考えてなかったことが ばれました。