15年目の壁画

 

私の主な仕事は、商業に関わる絵を描くことです。

飲食店の壁画も例外なく寿命は短いもの。お店のオーナーさんが変わったり 時流に合わせた改装が行なわれれば 塗りつぶされたり壁ごと取り壊されたり…いくら頑張ってもこれだけは受け入れざるをえない運命なのですが、

神奈川県小田原市 国道1号線沿いのイタリアンレストランには、15年目をむかえた私の壁画が 今も当時のままに描かれています。→Topics「15年目の壁画」へ

 

お店の名前は『マカロニ市場』。市場と書いて“マーケット”。

創設当初から本場のパン釜とピザ釜を備え、自慢の料理と心づくしの接客でますます人気のレストラン。

 

私の描いた壁画の中でも、とても多くの方が好きだと言って下さるこのお店の壁画は、私自身、現場での心温まる思い出が沢山詰まった仕事です。

 

実はここには、よくお見せする客席の3枚の壁画の他にも あまりご紹介していない絵があります。

ひとつは、現在は入口に掛けられている額の絵 -Mediterranean Breathing-。

15号に満たない絵で、遠景の景色は 20代のはじめに訪れた南フランスの海岸線から撮った写真をモデルに描いた 私自身の旅の思い出にも重なる絵です。

何を隠そう、これはいまだに展示販売中なのです。

 

そしてもう一カ所、

現地においでになった女性ならご存知ではないでしょうか?

 

そこは、女性用のレストルーム。

ホールの壁画の色づかい・筆使いとは少し趣きを変え、蔓葡萄を主題に陶器に見立てた青絵の柄を壁一面に配したこのスペースは こだわりの絵付けタイルや真鍮づかいの水回りも手伝って ちょっと特別な場所に仕上がっていると思います。

 

まだ若かった当時、時間と体力をあるだけ注ぎ込んだ熱を 今も懐かしく思い出させてくれるという意味でも、

男性にはご覧いただくのが難しい絵…という意味でも、

ある種、隠れた“大作”かも知れません。

 

お店のオーナーさんはじめスタッフの皆さんが ずっと変わらず持ち続けていらっしゃる“美味しいもので人をもてなす精神”に育まれ、この壁画達もまだまだ元気いっぱい この素敵なレストランと共に、美味しいご馳走に思わずこぼれるお客さんの笑顔を見守らせていただけたらと願っています。

 

 

 

 

 

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コメント: 2
  • #1

    町田晃一 (金曜日, 18 5月 2012 12:45)

    大森さん
    ありがとうございます。
    ずーっと大森さんの壁画があるマカロニを存続させていきますから、これからも宜しくお願い致します!
    女性のレストルームの絵も今度こっそり写真撮ってアップさせていただきますね。

  • #2

    Miyuki Oomori (水曜日, 15 8月 2012 15:38)

    町田さん、
    わざわざのコメントありがとうございます。
    小田原1号店創設の時、ブルーと白の横縞のシャツを着てピザ窯を守るピッツァイオーロだった町田さんが 作業の腹ごしらえに…と作ってくださったカルツォーネ(包みピッツァ)の味が今も忘れられません。

    マカロニ市場全店舗を束ねるグランドマネージャーになられた今も、15年前と少しも変わらない笑顔と熱意で 毎日お客様を迎えるプロ意識と誠意を持った方。私の尊敬する人の一人です。

    素敵なレストランと共に、きっと壁画達はもっとずっと長生きすることと思います。まだまだよろしくお願いします。